政府は令和5年10月11日、デジタル行財政改革の第1回会議を開催しましたが、同改革会議の議論を踏まえて、自動運転レベル4乃至5の実現に向けて、どのように法を整備し、ルールを定めるかについての検討会を立ち上げることになりました。
その検討会の「サブワーキンググループ」第1回会合が2024年12月25日に行われました。
私も同検討会の構成員に拝命されました。
レベル4は、一定の地域に限って運転者がいない限定的な完全自動運転を実現するもので、レベル5は地域を限定せず、日本全国どこでも運転者がいない完全自動運転を実装するものです。
完全な自動運転技術の完成までには非常に長い年月がかかりますが、少しでも交通事故をなくすために一日も早い実現が望まれます。
そのため、業界からは、たとえプログラムに問題があってこれが原因となって事故が起きても、プログラムの設計やそれを登載した車両を製造したメーカー、そこに所属する技術開発担当者に対しては、業務上過失致死傷罪について責任を負わない刑事免責制度を認めるべきである、そうでなければ開発意欲が失われるという声が上がっています。
しかし、それは、交通犯罪の被害者やその遺族からすれば到底、受け入れられる制度でありません。
自動運転化が進んでいる航空業界ですら設計製造にミスがあれば責任者は業務上過失致死傷罪などの刑事責任を問われる可能性があるのに、どうして自動車メーカーだけ一種、治外法権のような形で一律に免責されるのか、国民の理解を得ることは無理だと思います。
今後、当検討会では、刑事免責制度を設けるかどうかについて熱のこもった議論が行われる予定です。
私の立場は交通事故を限りなく少なくする自動運転化を強く推進する立場ですが、反面、刑事免責制度の創設には大反対です。
資料はこちら
「第1回 議事次第」
「第1回 自動運転ルールSWG構成員名簿」