被害者の遺族の方へ

2008年12月1日から、被害者参加制度が始まり、被害者自身やその遺族は直接、刑事裁判に参加することができるようになりました。
裁判が始まる前に検察官から刑事記録を見せてもらって説明を受け、裁判が始まったら検察官の隣に優先的に座り、被告人に直接質問したり、情状証人に尋問したり、裁判官・裁判員に心情を直接聞いて貰ったり、検察官とは別に求刑したりすることができるようになりました。

裁判の日程についても遺族の都合を聞いて決めて貰えます。
この制度ができる前は、記録も見られない、検察官から説明も受けられない、裁判の日程も事前に教えてもらえない、整理券が配られる事件では抽選に当たらなければ傍聴席にすら入られないなど、全くの蚊帳の外でしたが、今ではしっかりと裁判に参加することができるようになりました。

ですが、今まで経験したことのない法廷という大舞台で、遺族が自分の気持ちを伝えることは並大抵なことではありません。
ただでさえ、悲しみに打ちひしがれているのに、そして、目の前には家族を無慈悲に殺害した犯人がのうのうと被告人席に座っているのに、冷静でいられるはずがないからです。

でも、被害者側の遺族に、支援する弁護士がついていれば大丈夫です。
しっかりと遺族を法廷でガードします。遺族に代わって、被告人に反論したいことを代弁することができます。
もし、直接、遺族自身が被告人に問い質したいときは、隣の席でしっかりとサポートすることもできます。

被害者参加制度の創設に第一線で関わってきた経験を踏まえ、遺族が刑事裁判で思う存分、自分の気持ちを言えるよう寄り添っていきたいと思います。