「刺激証拠」のイラスト化 隠される真実。
日時:2025年11月15日(土曜日) 13:00~(受付開始12:00~)
場所:ドイツ文化会館 OAGホール 東京都港区赤坂7-5-56 ドイツ文化会館
参加無料(*要事前申込)
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今、裁判員裁判では幼稚園の学芸会のようなことが行われています。
こう申し上げると本当ですか?と、皆さんまともに話しを聞いてくれません。でも、本当なのです。裁判員裁判が2009年5月21日に開始される前、あるいは開始されてから数年くらいは、裁判は真相発見のため厳正に行われていました。ところが、2013年3月、福島地裁郡山支部で開かれた強盗殺人事件で、60代の女性がご遺体のカラー写真を見てPTSDになったと主張して慰謝料を請求する国家賠償請求訴訟が提訴されてから事態が一変しました(裁判自体は原告敗訴で確定)。裁判所が極度に萎縮し、ご遺体の写真を証拠として一切採用しなくなりました。
この傾向はエスカレートし、ここ数年では、ご遺体の写真だけでなく、鑑定医が証人として出廷する時、本来なら採用すべき司法解剖した写真すら証拠として採用されなくなりました。危険運転致死傷罪の時の事故の様子が鮮明に記録されているドライブレコーダー、凶悪犯罪の一部始終が映っている防犯カメラ、血のついた現場の写真、凶器のナイフなど、事故態様を明らかにしたり、犯人を特定したり、強い殺意を認定したりするためのベストエビデンスとなる客観証拠・直接証拠が一切採用されなくなりました。
では、どうやって検察官は立証しているのでしょうか。ご遺体や司法解剖の写真、血のついた写真やナイフなどは全てイラスト化して証拠申請するしかないのです。棒で被害者を何度も打撃している防犯カメラの音声も、検察官が法廷内で、「ドンドン、バンバン、ドスン」と声を上げて再現せざるを得ないこともありました。まるで学芸会です。また、イラスト化では手を加えた者の主観が入ることや、技量の限界などから科学的正確性が保てません。
裁判員の中には、刺激証拠を見たくない人もいますが、反対に刺激証拠も含め全ての証拠を見て公正に判断したかったと疑問を呈する意見も多いです。今の裁判員裁判は真実発見の場でありません。過剰に裁判員に配慮した裁判員「接待」裁判となっています。
被害者のための刑事司法を目指す犯罪被害者支援弁護士フォーラム(VSフォーラム)では、真実発見という刑事訴訟の精神を取り戻すため、刺激証拠であっても裁判員の心理的負担を理由とした排除を辞め、これを見たくない時は裁判員選任の正当な拒否事由としたり、刺激証拠を見せるときでも見せる方法を工夫したり、見た直後の心理的ケアを裁判官に義務付けたりするなどで裁判員に配慮する方向で、運用や制度の改正を目指します。
その一貫として、2025年11月15日(土)午後1時より、ドイツ文化会館にて、法医病理学会との共催で、元裁判官、実際の事件の被害者、我が国の刑事司法学者、ドイツの法医学者・裁判官などをお呼びしシンポジウムを開催します。
ぜひ、皆様にもご参加いただきたくご案内申し上げます。
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